2017年3月27日

商品のご案内

伝統の胡麻せんべい

昭和23年に、小松シキが21丁の焼き型から始めた南部せんべい屋。今ではさまざまな味の南部せんべいがございますが、当時は胡麻せんべいが主流でした。

南部せんべいの小麦と胡麻の素朴でどこか懐かしい味わい。それは、昔おばあちゃんが囲炉裏端で焼いていたせんべいのぬくもりを伝えてくれます。

当時の味を伝える「胡麻」「落花生」「醤油」の南部せんべいは、おばあちゃんシリーズとして巖手屋の定番人気商品となっております。

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南部せんべいは、八戸、二戸、盛岡など旧南部領では南部藩の野戦食として四百五十年も昔から焼かれ、食べられていました。保存も利くし、材料も身近にあるので、便利だったのでしょう。それに白い米など口にできない、貧しい農民にとって、かまどや囲炉裏で焼く蕎麦粉や小麦のせんべいは、主食としても大切な食料でした。お菓子らしいお菓子が全く姿を消した、終戦間もない頃でも、小麦と胡麻だけはどこからか集まり、材料集めの苦労らしい苦労はありませんでした。(小松シキ著『むすんでひらいて』より)

それと、南部の暮らしに、せんべいは欠かせない物なんです。法事や祝儀に、せんべいは付き物ですし、そういえば、婚礼には、せんべいの上に赤飯を握って乗せ、近所の人に配り歩く習わしもありましたね。今でいう、オードブルのカナッペのようです。南部せんべいだから、イナカッペかな?

お産のお見舞いにも、焼き麩とせんべいを届けるものと決まっていました。これに、玉子を何個か付けたら、これはもう、最高の立派なお産祝いで、貧しい時代だったかもしれませんが、暮らしは、温かかった、としみじみ思います。あんこや砂糖も無く、お菓子など無い時、かすかな味わいの胡麻の付いただけのせんべいが、ほんのりと、ごちそうめいていました。(小松シキ著『むすんでひらいて』より)

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厚焼きせんべいの始まり、まめごろう。

南部せんべいといえば、小麦と胡麻そして少しの塩気がきいた素朴な味わいの「おばあちゃんが囲炉裏端で焼くぬくもりの味」でした。創業当初は、巖手屋の南部せんべいも「胡麻」「落花生」が主流。そんな中、バターや砂糖、卵の入った甘く香ばしい厚焼きせんべい「まめごろう」は1969年に生まれました。クッキーやサブレのような少し洋風の、サクサクとした歯ごたえと口の中でホロホロと崩れていく食感、「厚焼き」ならではの食べごたえのまめごろうは、キャラクターやテレビCMも登場するなど、人気の商品となりました。

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バラエティ豊かな南部せんべい。

その後も巖手屋の南部せんべいは、さきいかをたっぷりのせた「いかせんべい」や甘酸っぱいりんごチップをのせた「林檎せんべい」など、個性豊かな商品が人気を集めております。

小麦と胡麻そして少しの塩気がきいた素朴な味わいを基本としながらも、素材の組み合わせによって様々な表情を見せてくれる南部せんべい。いかや林檎の他にも、納豆、一口サイズの「小判」や、うすく焼いた「うす焼」など、バラエティ豊かな巖手屋の南部せんべいを、ぜひ食べ比べてみてください。

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シキのせんべいが生き続ける。伝統の進化、それは変化。

巖手屋の南部せんべいは、さらに進化を続けます。

2009年には、一度焼きあがったせんべいを割って商品にするという新たな発想から、まったく新しい商品が生まれます。落花生せんべいのクラッシュしたものをピュアチョコレートでコーティングした「チョコ南部」をはじめ、「割りしみチョコせんべい」や「割りせん&柿ピー」など、今までの丸い南部せんべいという常識を超えた商品が次々と、現在も生まれ続けています。

大人気商品となった「チョコ南部」(冬春限定)

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煎餅がどんなに形を変えて変化を遂げようとも、私たち巖手屋の原点は、21丁の焼き型から始めた南部せんべい屋にあります。囲炉裏端で煎餅を焼いてくれた、おばあちゃんの手のぬくもりを伝え続けることが私たちに出来る恩返しだと考えております。

一枚の煎餅には、自然の恵みに加え、お客様をはじめ多くの方々のご縁とご協力をいただいております。この感謝の気持ちを忘れずに、これからもより良い商品を作ってまいります。「感謝と創造」を基本に、巖手屋はこれからも“まごころ”を形にして、皆様にお届けします。